音の記憶

工具箱の中には、新しいものから古いもの。

もっと古いものも入っている。

最古参の一つが、このKTCのラチェット。確か19か20の頃に買ったものだ。

月日は流れ、昔の記憶も薄れ行き、あの頃のことは、本当だったのか？

もしかして、夢ではなかったのか？と思うことさえある。

でも、私のレーシングライフの全てを知っている、こいつに、クイックスピンナを取り付けて、カリカリと回すと、昔と変わらぬ音色を奏でてくれる。

その音を聞いて思うのだ、あの頃のことは、夢ではなかったと。