組み立て式クランクのリビルドについて
かつて私の周りには朝霞研究所の関係者が多かったのですが、彼らにとってクランクは消耗品で、15時間程で廃棄。
新品芯出しはB級品、新品で修正しなくても全く振れのないものがA級品という認識でした。
しかし世の中にはリビルドクランクなるものが出回っていて、新品と遜色ないとか、それを上回る性能などと謳われていたりします。
どうもすっきりしないので、サテライトチームとリビルドの第一人者にメールで尋ねてみました、無視されるかと心配だったのですが、親切に答えて下さいました。
まず、今やホンダサテライトの雄となったハルクプロの返答です
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お問い合わせのリビルトクランクに関してですが、
弊社で取り扱った経験が無く性能の良否の判断は出来かねます事
ご了承ください。
ハルクプロ
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さすが全日本でタイトルを争うチームだけあって、やはり、リビルドは眼中にないようです。
つづいてはリビルドクランクの雄、井上ボーリングの返答です。
井上ボーリングはRSのシリンダーのサプライヤーをやっていたほどで、技術は超一流と言えるでしょう。
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以前ロードレースをしていたのですが、朝霞研究所の方に、クランクはリビルドしても狂いやすいから、レースなら新品を使うべきと教わり信じてきたのですが、IB様のHPを拝見していると、新品とそん色ないのではとの思いが湧いてきます。
もちろん、ストリートで使う分には問題ないと思いますが、全日本でタイトルを争うような状況でも、新品と全く変わらぬ性能を発揮できるものなのでしょうか?
(IB井上) 手塚様、お問い合せありがとうございます。
これはおもしろいご質問ですね!
価格のお問い合せなども歓迎ですが、このようなお話もぜひBBSでできたらと思います。(^o^)
研究所のかたがリビルドしても狂いやすいとおっしゃるのにも一理あると思います。
ここで話題にされているのは2ストのクランクのような分解組立式クランクのことだと思います。
組み立て式のクランクはクランクピンがクランクウェブに圧入されるなどして組み立てられています。
これを一度外して再圧入すれば、一度目よりはやはりいくらか勘合が緩くなります。
勘合が緩ければその分芯がずれやすいのはまちがいありません。
ただ、私どもの実感としては新品から2度くらいの組み立て直しでは、組み立て時や芯出し作業時の
感触として、それほど緩いとは感じません。
また、勘合が緩い場合の対策として、特におっしゃるようなレース用の場合には
「ピン溶接」という方法で対策をすることもあります。
もう一点は芯出しの精度の点です。
新品クランクシャフトのほとんどは、治具を使って組み立てられており、クランクを叩いて芯を出す
などという手間のかかる作業は行われていません。
その結果量産品の芯出し精度はどこのメーカーのものも0.03mm程度となっています。
治具と製品の差し込み可能な精度(0.00mmでは治具に製品が収まらず、0.01mmほどのクリアランスがある)
を考えると、各部の差し込みの差でどうしても0.03mm程度は芯がずれてしまうんです。
これが治具による組み立ての限界で、iBでも治具で出せるのはそのあたりまでで、そのあとを
この道50年という職人が銅ハンマーで叩いて芯を出しています。
単気筒で新品クランクをご支給ならまず間違いなく、読み取り0.01mmのダイアルゲージの針が振れない程度の
芯をだすことはできます。
そのようなわけで、IBとしてはすくなくとも新品よりはiBで芯を出したクランクの方が
精度は上である、と自負しています。(^o^)
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両者の返答を拝見すると、やはり新品で振れのないクランクがベストということになりますね。
でも、絶版車で新品の出ない場合はリビルド品は、大変ありがたいことは間違いありません。
それにしても贅沢な悩みで、本当に日本に生まれて幸せだと思います・・・
新品芯出しはB級品、新品で修正しなくても全く振れのないものがA級品という認識でした。
しかし世の中にはリビルドクランクなるものが出回っていて、新品と遜色ないとか、それを上回る性能などと謳われていたりします。
どうもすっきりしないので、サテライトチームとリビルドの第一人者にメールで尋ねてみました、無視されるかと心配だったのですが、親切に答えて下さいました。
まず、今やホンダサテライトの雄となったハルクプロの返答です
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お問い合わせのリビルトクランクに関してですが、
弊社で取り扱った経験が無く性能の良否の判断は出来かねます事
ご了承ください。
ハルクプロ
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さすが全日本でタイトルを争うチームだけあって、やはり、リビルドは眼中にないようです。
つづいてはリビルドクランクの雄、井上ボーリングの返答です。
井上ボーリングはRSのシリンダーのサプライヤーをやっていたほどで、技術は超一流と言えるでしょう。
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以前ロードレースをしていたのですが、朝霞研究所の方に、クランクはリビルドしても狂いやすいから、レースなら新品を使うべきと教わり信じてきたのですが、IB様のHPを拝見していると、新品とそん色ないのではとの思いが湧いてきます。
もちろん、ストリートで使う分には問題ないと思いますが、全日本でタイトルを争うような状況でも、新品と全く変わらぬ性能を発揮できるものなのでしょうか?
(IB井上) 手塚様、お問い合せありがとうございます。
これはおもしろいご質問ですね!
価格のお問い合せなども歓迎ですが、このようなお話もぜひBBSでできたらと思います。(^o^)
研究所のかたがリビルドしても狂いやすいとおっしゃるのにも一理あると思います。
ここで話題にされているのは2ストのクランクのような分解組立式クランクのことだと思います。
組み立て式のクランクはクランクピンがクランクウェブに圧入されるなどして組み立てられています。
これを一度外して再圧入すれば、一度目よりはやはりいくらか勘合が緩くなります。
勘合が緩ければその分芯がずれやすいのはまちがいありません。
ただ、私どもの実感としては新品から2度くらいの組み立て直しでは、組み立て時や芯出し作業時の
感触として、それほど緩いとは感じません。
また、勘合が緩い場合の対策として、特におっしゃるようなレース用の場合には
「ピン溶接」という方法で対策をすることもあります。
もう一点は芯出しの精度の点です。
新品クランクシャフトのほとんどは、治具を使って組み立てられており、クランクを叩いて芯を出す
などという手間のかかる作業は行われていません。
その結果量産品の芯出し精度はどこのメーカーのものも0.03mm程度となっています。
治具と製品の差し込み可能な精度(0.00mmでは治具に製品が収まらず、0.01mmほどのクリアランスがある)
を考えると、各部の差し込みの差でどうしても0.03mm程度は芯がずれてしまうんです。
これが治具による組み立ての限界で、iBでも治具で出せるのはそのあたりまでで、そのあとを
この道50年という職人が銅ハンマーで叩いて芯を出しています。
単気筒で新品クランクをご支給ならまず間違いなく、読み取り0.01mmのダイアルゲージの針が振れない程度の
芯をだすことはできます。
そのようなわけで、IBとしてはすくなくとも新品よりはiBで芯を出したクランクの方が
精度は上である、と自負しています。(^o^)
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両者の返答を拝見すると、やはり新品で振れのないクランクがベストということになりますね。
でも、絶版車で新品の出ない場合はリビルド品は、大変ありがたいことは間違いありません。
それにしても贅沢な悩みで、本当に日本に生まれて幸せだと思います・・・