NDロードスター試乗記
同時期全国で試乗会が行われます。
昨年はスケジュールが合わず会場を訪れることができなかったのですが今年は乗ることができました。
しかしデビューから一年が過ぎ試乗車は次々とオークションに出され、今回試乗したのが最期の一台との事でした,間に合って良かったです。
開発者自ら語るように、理想のロードスターは初代NA型であり、今度のND型でやっとNAに近い車を造る事ができたとのことで、その初代NA型オーナーの私からすれば興味津々の試乗となりました。
内外装
マツダの車は外車っぽいのが多いですが、特にロードスターは日本離れしたスタイルです、日本人でこれを買う人は少なく販売の8割以上が海外とのことですから、そちらを意識したスタイルになるのは当然の流れでしょう。
内装も最近のマツダ車の例にもれず大変質感が高いです、シートの出来もよく(NAは酷かった、ほとんどの人はシートを社外品に変えています)これなら交換の必要は無いでしょう。
ドライビングポジションもペダル配置も、良く出来たスポーツカーのそれで、初めての試乗でも違和感無く乗ることが出来ます。
乗って見ると
まずエンジン、1500ccにダウンサイジングされたNDですが、最近のエンジンらしく希薄燃焼で涼やかに回り気持ちよく回転が伸びていきます、しかしもう少しエンジンにガッツ感があれば良いなとも思いました、もし私がオーナーならファインチューニング程度の変更を加えるかもしれません。
シフトフィールはNCはカチカチとスイッチのようでしたが、このNDはNAのようにゴリッとした手ごたえです、同乗した営業の方によると、初代NA型を意識してあえて、そうしているとのことです、知り合いの元テストドライバーが外人はゴリゴリしたシフトフィールを好むと言っていたので、販売の中心が北米EUのこの車なら、このシフトフィールのほうが受けるのでしょう。
秀逸なのがダンパーです。突き上げず、よれない。いわゆるハチミツをスプーンでかき混ぜるようなフィーリングを保ち続け、スラロームした感じでは弱アンダーから緩やかにオーバーに転じるように思われますが、一連の動きがスローモーションのように感じられ、公道のワイディングでも自信を持って攻め込むことが出来そうです。
総評 キング オブ ライトウエイトスポーツ
マツダロードスターは世界で最も売れたスポーツカーですが、販売台数だけでなく、車のデキ自体もライトウエイトクラスでは王者なのではないでしょうか、無論全てのライトウエイトスポーツカーを試乗した訳ではないですが、これ以上の車を造ることは難しいと思われます、もちろん唯速いだけの車は沢山ありますが、この車の人馬一体の操作感を超えるのはかなり難しい作業であることは、私にさえ想像できたのでした。
手塚スマル