手塚統のはちみつトマト日記

はちみつを使ったトマトの栽培、しいたけの栽培、趣味のMOTOR、など徒然に。

RACERS 其の一

三栄書房からリリースされているムック本です。

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軽く立ち読みはしていたのですが、弟はしっかり買っており、今回帰郷したさい置いていきました。

ヤマハはロードレース界への貢献は偉大ですが、ワークスマシンはわりと普通で面白くない。

スズキはセコイ。

やはり面白いのはホンダです。
以前にも書きましたが、レースを文化とは考えていなく、若い技術者の育成やチャレンジを目的としてレースをやっているので、アプローチがドラスティックで、浮き沈みが激しい。

まずはNS500。常識破りの2スト3気筒、それはホンダの「勝つための選択」だった。

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乱暴に言えば、あのNR500のコンパクトなフレームに載せるために、2スト3気筒を作って乗せた、即席マシンです。

即席マシンとは言え、ホンダの技術力は高く、若き天才ライダー、F・スペンサーのライディングも相まって、デビュー2年でチャンピョン獲得しました。

これらのことは誰でも知っていますが、面白かったのは当時HRC開発責任者だった、福井威夫氏のインタビュー。
前ホンダ社長でもあり、F1からの涙の撤退記者会見は記憶に新しい人も多いのではないでしょうか?

曰く
「チャンピョンとっても、私としては不完全燃焼だった、レースだけじゃなく商品で勝ってくれないと、だからその後NSR250Rって市販車を作って売れた。そうならないと達成感ないね。」

「レースをどっぷりやりたかったけど、GPで勝ったり8耐で勝ったりすると、やっぱり商品だよねとなってきたんだよ、でもそう考えるのが普通だと思うよ、本田宗一郎もそうだもん。
あの人はマン島TT挑戦から始まったGP第一期をRCで総なめにしたよね。でも同時にスーパーカブも作ったんだよね、そういう人なんだよ。
いつまでレースやってるんだ、レースばっかりになるとロクな会社にならないぞ、そういう人なんだよ。ある意味ものすごいクールなんだあの人は。」

「だからF1やめて、めちゃくちゃ悔しかったけど、その悔しさよりインサイトが売れたことの嬉しさのほうが大きいんだよね」



ホンダはやるときはやるが、勝てなかったり、景気が悪くなると、あっさりレースから撤退するが、これも一つの「ホンダイズム」なのだろう。

会社が傾いても、レースを続けるヤマハとは対照的である。
ヤマハはもともと楽器屋で、ただ楽器を売るだけでなく普及の精神というものがある。

学校の楽器はほとんどヤマハだし、ポプコンを開催したり、楽器を売る為にはまず音楽文化を普及させねばという精神がある。

だからレースも普及に力をいれ、会社が傾いてもチャンピョンをとったり、TZを販売しつづけたりしたのであろうと思う。

続く。