手塚統のはちみつトマト日記

はちみつを使ったトマトの栽培、しいたけの栽培、趣味のMOTOR、など徒然に。

バリ伝の続編が構想中らしい 5

「バカっ速の坊やが、老いぼれの自転車屋に何の用だい」

島崎は咥えタバコで、ぶっきらぼうに切り出した。

自転車屋など、とんでもなかった、確かに経営が苦しかった時期は、自転車を売って、しのいでいた時期もあったが、静かな2サイクルブームの中、島崎のカスタムした、NSR,TZR等の90年代レプリカは、大人気をはくし、前後にオーリンズサスペンションを装備したステージ�ともなると、ドカティー並みのプライスが付けられていたが、一年先までバックオーダーを抱えているほどだった。

「来年の8耐のライダーを探しておるんですが、一人は元500ccチャンピョンを招こうと思っているんです」

「ほー、スズキさん今度はケニーロバーツjrでも乗せようってのかい」

「・・・ケニーロバーツjrならどうですか」

「話題性ならあるだろうが、お前は優勝を狙っているんだろう、だったら無理だ」

秀頼は表情には出さなかったが、ショックを受けていた、ケニーロバーツ親子の農場には、ダートトラックコース、モトクロスコースがあり、オフシーズンには全日本のチャンピョンクラスが合宿に行ったりしている、とっくに引退したケニーロバーツjrだが全日本チャンピョンを手玉にとる速さを未だ維持している。
そのケニーロバーツjrでもダメだというのだ、やはり巨摩ではだめなのか・・・

「いや、実は日本人なんですわ」

島崎の目がギラギラとした光を帯びてきた

「グンか・・・」

「・・・」

「そうなんだな!やつならできる、やつは化け物だ!」

「やはりそうですか!でも行方知れずなんです、島崎さんなら連絡先も知っとるんではないかと訪ねてきたんです」

島崎は、グンについて、引退後カルフォルニアに帰り、ビジネス界に身を置いていること。
レースに復帰する気は全く無いこと等を教えてくれた。

「だが、お前の頼みなら、もしかしたら聞いてくれるかも知れないぜ、俺の感が正しければな」

そう言って島崎はグンの連絡先を教えてくれた。

つづく