手塚統のはちみつトマト日記

はちみつを使ったトマトの栽培、しいたけの栽培、趣味のMOTOR、など徒然に。

自由貿易と食文化そして食育 3

そのイギリスに対して大陸側の国々は19世紀に一時的に自由貿易へと傾くことがあったものの、ほどなく保護主義を固め、農産物の自給率を高く保った。

性懲りもなく20世紀になっても、自由貿易を続けたイギリスは、第二次世界大戦後、戦勝国であるにも関わらず、アメリカからの農産物の輸入がストップされたことから、一時、食料が配給制になったりと、惨憺たる状況に陥った。
フランスや地中海食文化が、後に世界遺産に登録されたのとは対照的である。
プロテスタントは粗食が美徳らしいが、理由はどうあれ、食の軽視は農業の軽視につながる。

その反省からかEUの共通農業政策に加盟し、現在は穀物自給率は100%となっている。しかし、その取組が遅かったせいなのか、宗教上の理由もあってなのか、未だにイギリス料理は、まずいままである。

共通農業政策(COP)は高い補助金で農業を保護している、納税者負担である。
批判はあるものの、全体的な世論としては、EUの人々に許されている。
ドイツ在住のブログ仲間「アルペン」さんが指摘されたように、彼らは安全で美味しい食材はそれなりのコストがかかるということを、よく知っているのである。
そして、その食材が、その風土が造りだすものであると言うことも。
納税者負担も消費者負担も、農家の為でなく、自分の為だと言うことを良くわかっている。

ここに食育が関わっている。

続く。