手塚統のはちみつトマト日記

はちみつを使ったトマトの栽培、しいたけの栽培、趣味のMOTOR、など徒然に。

MITとホンダイズム

MITとは言わずと知れた、ノーベル賞受賞者を60人以上出している、マサチューセッツ州工科大学のことだが、ここの教授の石井裕氏の、お話はとても面白かった。

たとえば終身教授資格を取るときの基準は「それまでに誰も手につけていない分野を切り開いたか」が最も重視される、どこの専門誌に論文を何本書いたとか言いだしたらお終いとのことである。
とにかく、荒削りでも新しいコンセプトを出すことに最大の価値をおく。

それに対して日本では、敷かれたレールの上での点数争いにしか過ぎない。

どこかで聞いた話と思ったが、これは本田総一郎のコンセプト採用基準に非常に似ている。彼は若い技術者が案をもってくると「それのどこが新しいんだ、どこが他と違うんだ」と常に問うたという。
オリジナルで勝負して勝つというホンダイズムである。(そんな本田氏もデザインについては緩かったようだ、デザインは技術とは考えていなかったのであろう)

欧州メーカー特にイタリアメーカーは、それこそ荒削りでコンセプト先行ぎみだが、それにも似た日本人離れした発想と、日本人らしい細やかさ、勤勉さが融合した結果が、特にレース界でホンダが突出できた理由であると私は思う。

会社が大きくなり、敷かれたレールの点数争いが得意な学生の人気就職先となったホンダが、かつての強さを失ったのは必然なのかもしてない。

だからこそレース活動を続けるべきだと思う、そんな学生たちに「技術の追求に完成はない」ということを悟らせるために。
北海道の小さな会社が、アメリカの民間宇宙旅行会社のロケットを開発しているが、そこの社長が良いことを言っていた「すぐ儲かる仕事ではないが、困難を克服するために努力する経験は、将来他の仕事をする時にも絶対役に立つ」

http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070208/index.html