昭和
自分はいつも通り仕事をしていたわけだが、朝方に新人「Aけた君」の80年代初頭と思われるRM250がエンジンがかからないとのことで、整備を手伝ったりしてました。キャブレターのマイナートラブルだったので、すぐ片付いたけど、まだ70年代を引きずった、なんとも昭和チックな作りで、後で思い出すとジーンとしてしまった。
今はなんでもコンピューターシュミレーターで設計出来るし、HONDAともなると、設計図を入力しただけで金属塊をマシンが図面通りにカットする工作機械もあるらしい、カムシャフトはおろかRCVのクランクケースもすぐ作れてしまうとのこと。技術の進歩とは凄いものである。
そのRMであるが、当時そんなものが有るはずもなく、いかにも作業服着た技術者が、実物で、ああでもない、こうでもない、と試行錯誤している姿が、部品の一つ一つから伝わってくるのだ。
こういう感性は、ある程度歳をとってからでないと、湧かないものだろう。
自分にも、それが分かるようになってきた、歳をとるのも悪いことばかりではないようだ。
自分にも、それが分かるようになってきた、歳をとるのも悪いことばかりではないようだ。
下の画像は私の秘蔵品、昭和30年台後半頃の、セイコーロードマーベル。
ベアリングメーカーNTNの20年勤続賞と裏蓋の内側に刻印されている、単なるデッドストックでは、このコンディションを維持できるはずがない。
奇をてらうことのない、定期的なメンテナンスの、たまものだ。
ベアリングメーカーNTNの20年勤続賞と裏蓋の内側に刻印されている、単なるデッドストックでは、このコンディションを維持できるはずがない。
奇をてらうことのない、定期的なメンテナンスの、たまものだ。
前オーナーは戦後の日本のモノづくりを、リアルタイムで過ごした方であり、そのスピリッツと誇りがこの時計には込められている。
この時計を手にしていると、聞こえてくるのだ「職人魂ってのはこういう事さ」と。